バセドウ病による眼球突出の治療|悪化させないために気をつけること
バセドウ病と言う名前を聞いたことがある人は、目が出てくる病気と
認識している人も多いようです。ですが、実際にバセドウ病で
眼球突出を伴う人は、全体の半数にも満たない数と言われています。
また、バセドウ病の治療をはじめて症状が落ち着くと、眼球突出も落ち着くと
思っている方も多いのですが、必ずしもそうとは限りません。
これは、甲状腺を刺激してしまう自己抗体が、目の周りにも影響を及ぼしている
ためで、バセドウ病が落ち着き、甲状腺ホルモンの数値が安定していても
自己抗体の数値によっては、眼球突出はそのままと言うこともあります。
自己抗体が甲状腺に刺激を与 える→バセドウ病
自己抗体が目の周りに影響を与える→眼球突出
このようにバセドウ病になったから眼球突出が起こるのではなく、別の病気と
考える方が、自然だと思います。
ですから、バセドウ病の治療をまずは最優先に、と言うより二つを同時進行で
治療するのが望ましいのです。大変だとは思いますが、内科や内分泌科のほかに
眼科にも通うということですね。
眼球突出は、症状が出てから3〜5年が一番強く、また症状が変わりやすい
時期と言われています。ですからこの期間に眼科での治療を始め、なるだけ
悪化させないようにするのが、大切なのです。
眼球突出の治療
眼球突出の治療には3つの選択肢があります。薬物療法としては、目の周りの
炎症を抑えるために、副腎皮質 ステロイド薬が用いられます。内服や目に直接
点眼、目の周りに注射などがありますが、重症だと入院して点滴もあります。
逆に軽症の場合は、副腎皮質ステロイド薬よりもっと弱い作用の、消炎剤が
使われることもあります。
2つ目は、放射線をあてて、目の周りの炎症を鎮める方法です。とても弱い
放射線を数回に分けて当てますが、中には、周りの髪の毛が少し抜けると言う
副作用が起こる人もいます(時間がたてば元に戻ります)
3つめは手術による治療です。ステロイドや放射線での改善がないときや、
症状がとても強いときに選択されます。
バセドウ病の患者さんで、眼球突出が起こると、とても不安だし心配になると
思います。ですが、これらの方法を用いる と、眼球突出はかなり改善すると
言われていますので、早い段階での治療をはじめましょう。
あまりストレスを溜めると、バセドウ病にも良くないですし、そもそも
自己免疫疾患の発症にも、ストレスは関係していると言われています。
改善しやすくするためにも、ストレスを抱えないように心がけてください。